キックボード旅人の日常

キックボード旅人による、旅の話とか日常のこと。

中部地方賭場めぐり~前編~

有給がとれ3連休になったはいいが、行き場がなく困っていたことは、先日の日記のとおり。
天気予報とにらめっこしていて、中部地方が比較的天気がよいことに気がついた。
そういえば、中部地方に「いつか行きたい」と思っていた場所があったような。
はたまた、天気に左右されない趣味があったような。

自分の中の引き出しをひっくり返し、頭のなかでいろいろと結びつけ、ようやく1つの終着点を見つけた。
それは「賭場めぐり」。
決してギャンブルが好きなわけではなく、廃れ行く全国の賭場をめぐるという崇高極まりない趣味、といえば誰にも共感されないが、個人的に好きなものである。

競馬・競輪・競艇は全国あちこちにありながらも、開催日はまちまち。
案の定、中部地方でも土曜日は松阪競輪が辛うじて開催されているが、以降の2日は都合よく松阪近くで開催されているものはない。
とりあえず思い立ったら吉日、前日に宿を確保し、いざ松阪へ向かうこととなった。


さて当日。
朝6時半に起床し、何だかんだで午前10時前に松阪駅に到着。
そこから送迎のバスに乗り込み10分、松阪競輪場へ。
お客はまばらながら、人が絶えることなく入っている。

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まず気になるのは、場内の年齢層。
ほとんどの人が、間違いなく定年を過ぎた方々。
これが客だけではなく、場内の従業員さんまでも高齢というのが驚き。
こんなこと言っては申し訳ないが、競輪の近い将来に不安を感じてしまう。

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場内はあまり広くはなく、5分もあればひととおり周れる。
食堂は全部で4箇所で、かつてはもっとあっただろうという空き店舗の痕跡があるところが何とも悲しい。

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車券を買う販売機界隈は、ナイロン製のカーテンで仕切られており、空調が効いていて快適である。
さらに、ガラスの扉で囲まれた休憩所に入ると、もっと涼しい。
いずれもモニターにオッズなどの掲載がされている。


午前中はぜんぜん当たらず。
気合を入れるため、3R終了後に食堂で「勝(かつ)串定食」とビールをいただく。
ちなみに、賭場においてカツを「勝つ」にかけることはド定番のことである。
お店は僕より高齢の女性が2名で接客をしていたのだが、次々に来るお客さんは常連らしく、馴れ馴れしくタメ口で話をしている。
スナックやん!

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それにしても、暑い。
外は時おりくもったりはするが、基本的に晴天。
無料のお茶や水をたまに飲みに行くが、30分おきに続くレースを予想・観戦とも真剣にしていたのでは、水分補給をおざなりになりそうである。
げんに、熱中症で1人倒れ、すぐそばで救急車に運ばれて行った。
この時期熱中症という言葉はよく聞くが、こんな近くで目の当たりにすると、その恐怖を強く感じる。


勝串定食の効用か、午後からぽつぽつ当たり出す。
心にゆとりができ、まわりの人間観察に目が行くようになる。

誰にともなく1人で話し続ける人とか。
通り過ぎる人にとりあえず話しかける人とか。
小さな娘を連れてくる若いお母さんとか。
土方の恰好で「仕事抜け出してきたんか?」と疑いたくなる若い衆とか。

何にせよ、えもいわれぬ悪臭を放つおっさんが圧倒的に多い。
風呂くらい入ってこい!

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はてさて、結果としては10レース中4つ的中。
マイナス2,610円。
負けるのは当たり前としても、せめて軍資金である5,000円の半額である、2,500円にとどめておきたかった。

勉強して経験積んだら、もっと当たるようになるのだろうか。
ということを帰りの送迎バスで考えていると、心を読めるのか、すぐ近くのおっさんが「何年やっても勝てんわ!」と笑いながらぼやいていた。


続く。