キックボード旅人の日常

キックボード旅人による、旅の話とか日常のこと。

北木島・真鍋島お遍路 ミニ遍路 ~3日目・後編~

【47番まで】
道沿いの39番を巡った後、突然畑があらわれる。
発泡スチロールに「猪ししに注意」(原文ママ)と書かれており、ふりがなのミスにおかしさを感じたが、よくよく言葉の意味を読み取ったとたん、足早に先へ進むことに。

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40番は、山側の細道の先にある。
が、道が雑草で閉ざされている。
無理すれば進めなくもないだろうが、ヤブをかき分けるには相当な時間がかかりそうなので、泣く泣く諦める。

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40番を過ぎたあたりから、下り坂が続く。
41~47番は道の並びにあるように、地図では読み取れる。
しかし、ずっと一本道が続き、まったく見つからない。

やがて、集落があらわれる。
もしかすると、41~47番はこの集落の中に点在しているのかも知れない。
とはいえ、離島の集落らしい入り組んだ道での散策は困難を極める。
それでもくまなく道をたどり、私有地のような道まで歩いたが、それでも見つからない。
結局、1時間かけて探しまわって、成果がなかった。

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【48番まで】
港沿いの道に出ると、道の脇で工事作業しているやや高齢のおじさんと目が合う。
「さっきすれ違ったお兄さん。何してるの?」
島ではすれ違う人とは必ずあいさつするようにしているのだが、どうやら朝方に顔を合わせた方らしい。
覚えていないことを包み隠し、足を止めて少しお話をする。

「お遍路さんかぁ、珍しいね。お地蔵さんの場所はわからんなあ」
やはりこの島では、お遍路さんの文化はかなり廃れているようだ。

「そのへんのおじいちゃん・おばあちゃんに聞いたらわかるかも」
見た目にも明らかに60歳は超えている方が言うのだから、どうもこの島の高齢化も深刻なようだ。
ということを思いつつ、確かにすべてを完璧に巡るには、聞き込みをしていくというのは有効な手段だ。
ただ、元来そんなに社交的でないし、そこまで時間をかけるほど本気ではないので、実行にはうつせない。

48番は「海岸エビス境内」と地図にある。
おそらく神社のことだ。
海岸沿いにある大きめの神社に寄ってみる。
が、残念ながら祠もお地蔵さんも見当たらない。

集落内を探すと、家1軒分の敷地内に鳥居と石灯籠があり、奥ににわとり小屋のような建物がある。
その中に、48番と49番が祀られていた。

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【53番まで】
さらに集落を進むと、10体ほどのお地蔵さんが祀られた場所がある。
どれが何番かの区別はつかないが、地図上からここに50~53番があるそうだ。

そこから少し歩いたところに、商店がある。
旅館の食事が多すぎて、内臓を休ませるべく昼食はとるつもりはなかったが、少し小腹がすいた。
パンを1つだけ買い、歩きながら食べる。

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するとどうだ、どこからともなく猫がぞろぞろと寄ってくる。
気がつけば、7匹の猫に囲まれてしまった。
あまり動物は得意ではないのであやすことなく歩き続けるが、ぞろぞろとついて来る。
さすがに愛らしくなってくる。

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しかし、パンを食べ終わるや、1匹残らず散ってしまった。
やはり動物は、ニガテである。


【57番まで、巡礼終了】
54~56番も、お地蔵さんが1箇所にまとめられているらしい。
集落をくまなく探すも、見つからない。

住宅地の裏に、小高い丘がある。
上ってみると、祠がある。
しかし、祠は閉ざされている。
というか、祠への道が途中で分断されており、深い崖ができている。

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すぐ下には、採石場への通路がある。
どうやら、採石場のために丘が削られたようだ。
おそらく、この閉ざされた祠に54~56番があるのだが、危ないので参れないようにしているのではないだろうか。

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少し歩き、小高い場所にある神社で57番をまわったところで、午後2時半。
渡船まであと30分しかないため、これで巡礼は終わり。
あと半日もあればすべて巡れそうなだけに、残念である。

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朝方、旅館の人に荷物を預けていたのだが、わざわざ港へ届けてくれた。
最後まで、本当に丁寧な対応に感謝である。

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【最後に】
2日目は真鍋島ではなく北木島を巡っていれば、満願できただろうという後悔が残る。
しかし、この機会がなければ真鍋島へ行かなかっただろうし、真鍋島もいい思い出となった。
ここは「英断」と割り切るしかない。

北木島・真鍋島だけでなく、ここら一体の笠岡諸島には、他にもミニ遍路ができる島がある。
ぜひともそれらも巡るとともに、早いうちに北木島の満願もしたいところである。
どうやったら効率よくまわれるのか、今回の進み具合を振り返り、渡船の時刻表とにらめっこしながら、次の旅までにじっくり検討したいところである。