キックボード旅人の日常

キックボード旅人による、旅の話とか日常のこと。

三重・忘年廃墟ツアー ~後編~

三重県の廃墟ツアー、後編。


渡鹿野島へ】
朝風呂に入り、少しゆっくりしてから午前9時に出発。
まず向かったのは、志摩より南にある渡鹿野(わたかの)島。
かつて「売春島」と呼ばれていた理由は、その名前から想像していただきたい。
あくまでディープスポットとして行くのであり、決してやましいことが目的ではない。
決して。

渡船乗り場にはどんどんと渡船が着き、意外なほど多くの客が降りてくる。
どうやら島に大きなリゾートホテルができており、その客のようだ。
実はこの島には1度だけ訪れたのだが、そのときは乗り場に「宿は決まってる?」と声をかけるおっさんがいた。
このかけ声が、売春のあっせんの合図とも言われていたのだが、今回はこのおっさんがいない。
どうやら、その文化は完全に廃れてしまったようだ。

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【廃墟:Aホテル】
やがて渡船に乗り、島へ到着。
すぐさま向かったのは、島の端にある「Aホテル」。
玄関から続く通路を歩くと、右手にプールの跡が見える。

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建物の入口すぐには、飲食店の跡。
畳をはがされたりしてだいぶ片付けられてはいるが、改装次第では再開できるのでは?と思えるほど、骨組みはしっかりしている。

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フロントから中を散策。
大広間などは残留物がないが、他のホテル廃墟のようにスプレーの落書きや破壊行為が見受けられず、きれいに感じる。
お風呂は単調な大浴場で、浴槽そのものより脱衣所に残っている10円のマッサージチェアに味を感じる。

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そして客室。
えっ、これ廃墟?
と思えるほど、きれいな状態で保存されている。
荒らされないのは、離島ならではのメリットなのだろう。

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最後に入った部屋で、思わず足がすくむ。
布団が丸まっており、その上に頭髪が散乱しているのである。
不気味ながらも観察しているうちに、部屋の隅にマネキンが転がっていることに気がつく。
どうやら、人が寝ているように見せたいたずらのようだ。
最後の最後で、こんな人為的な細工があったのは、残念である。

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渡鹿野島散策】
ホテルを出てから、しばらく島を散策する。
島の奥へ進むにつれ、廃墟となった家屋が点在していることがわかる。
とはいえ、人の往来はあるし生きた家屋もあるので、そうそう入ることはできない。

山手をウロついた後は、町の繁華街へ。
繁華街といっても商店があるわけでなく、生きているのかどうかわからないパブやスナックが並んでいる。
夜になると、ここもにぎやかになるのだろうか。
もしくは、その文化すらなくなり、やがて潰れてしまっていくのだろうか。

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廃墟ホテルには満足したものの、島全体のディープさには裏切られた形で、島を後にする。


【昼食:道の駅 伊勢志摩】
またしても昼食は定まっておらず、どこに行こうかと話をしているうちに、道の駅を発見。
手っ取り早く、道の駅で済ませようということとなった。
ちょうど土産も買いたかったし、一石二鳥である。

いろんな海鮮ものの定食があるなかで、選んだのは「伊勢うどん」。
モチモチでやわらかな麺と甘辛いダシが独特で、相変わらずうまい。
ただ大盛りがなかったので、食べ足りないぶんはレストラン外の売店でコロッケなどを食べて満たす。

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【場外競馬】
腹を満たした後は、敷地内にある場外馬券売り場へ。
なんでこんなところに?という疑問は置いといて、場内にはヒマをもて余した小汚いオヤジどもがわんさかといる。
1レースだけやろう、と言っていたが、結局3レースも楽しんだ。
ここにきて、グズグズな時間を過ごすこととなった。
まぁ、2人ともギャンブルが嫌いなわけではないので、満たされてはいるのだが。

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ちなみに結果は、2人とも惨敗。
特に僕のほうは、3レースともかすりもしなかった。


【エピローグ】
帰りは奈良・天理で、クイックマッサージへ行くことに。
しかし1時間以上の待ちがあったので、予約だけして夕食を食べに行くことに。
向かった先は、人気店「豚の骨」。
開店前からしっかり行列ができており、30分以上待たされる。
昨夜の暴食で弱った胃にはハードながらも、ついつい替え玉まで食べてしまう。

ラーメン屋の待ちでほどよく時間が潰れ、マッサージ屋に戻ったころ、ちょうど予約どおりの時間になっていた。
しっかり60分コースで疲れをとってもらうことに。
ただ、旅行前からの疲れと旅行疲れが重なり、途中ついつい眠ってしまってもったいないことをする。

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なんだかんだで、午後9時ごろに駅に降ろしてもらって解散。
今回も、無計画ながらも心に残るいい旅行となった。
いつまでこんな旅行が続けられるのかな、という不安もあるが、日帰りであっても何かしら毎年恒例行事として続けていきたいと思う。
GORI、いつも長時間運転ありがとう!