【北木島・14番まで】
3番はかんたんに見つかったものの、4番がわからない。
やはり手元の地図がざっくりすぎる。
実際には、細い道が何本も張り巡らされているのだ。
同じところを何度も往来するも、わからない。
諦めて先へ進もうにも、5番以降への道もよくわからない。
先ほどと同様、時間だけが過ぎて行く。
よし、こうなったら、開き直ろう。
石仏を探すというより、島の道という道をローラー作戦的に練り歩いてやろう。
タイムスリップしたような古い家並みなんかも見られるし、これこそ離島の楽しみ方だろう。
という観点で歩くと、住宅地の一角に5番を発見。
そこから、順調に次々と見つかる。
なるほど、なるべく山手に近い道を進めば、見つかりやすいらしい。
以降、14番までは順調に見つけることができた。
【北木島・15番】
再びスランプ。
15番が見つからない。
地図とにらめっこして歩いているうちに、今日泊まる旅館の前にさしかかる。
するとお宿のご主人が、声をかけてくれた。
事情を説明すると、近くにいたご年配の方に尋ね、15番まで案内してくれた。
ちなみに、15番は家と家の隙間を抜けた先にあった。
わかりにくい!
いっぺん通り過ぎた道だが、さすがにこれは気づきにくい。
【北木島・20番まで】
さて、16番が見つからない。
先ほどの教訓を生かし、なるべく山手側の道を歩くのだが、さらに広範囲に道が広がっており、まったく目星がつかないのだ。
あちこち道を散策しているうちに、祠を発見。
しかし、場所的に17番だろう。
先に16番をまわりたいところだが、順番なんてこだわっている場合ではない。
その後もローラー作戦で練り歩き、17番以降は確実にまわれた。
といっても、丘の上にある神社の境内だったり墓地だったり、設置場所がますますトリッキーとなる。
高い場所に設置されがちというのは、かつて向島がそうだったので、経験が生きたものだと思われる。
20番までまわったのが、午後4時半。
21番は少し離れた場所なのと、時間的にも暗くなりだすころなので、欲張らずにここで打ち止めとしよう。
念のため、引き返しがてら16番を再度探すも、やはり見つからない。
【天野屋旅館】
午後5時、島の東側にいるため、残念ながら夕焼けを楽しむことはできない。
しかし、夕焼け空に映る町並みのコントラストが妙にきれいで、しばらく眺める。
やがて、「天野屋旅館」へチェックイン。
木造3階建てのこの旅館は、明治からあるものらしい。
内装はとてもきれいで、趣はあっても古さは感じない。
風呂に入り部屋に戻ると、料理が運ばれている。
魚・魚・魚。
これでもかというくらいの、魚づくしだ。
これが大阪の居酒屋だったら、とセコい計算をしてしまうが、間違いなく5,000円は下らないだろう。
8品目もあれば、どれに箸をつけるべきか迷う。
お造りは鮮度が抜群で、ビールが進む。
煮物は味付けがいい意味で薄く、素材そのものの味を楽しむことができる。
浴衣を着て、和室の旅館でビールをあおりながら、新鮮な料理をいただく。
少し我に返り、「大人だな」と感じてしまう。