キックボード旅人の日常

キックボード旅人による、旅の話とか日常のこと。

弓削島回想

記憶が薄れないうちに。
先日の旅、というか、まわった島について、あれこれふり返ることにしよう。
今回2つの島をめぐったので、今回は「弓削島」について。

【人多し】
意外、といえば失礼かも知れないが、思った以上の人の多さにびっくりした。
失礼ながら、弓削島という島の認知度って、かなり低いと思う。
島の大きさも、車であれば一周1時間あれば行けるのでは、と思えるほどの、小さな場所。
知名度だって、そんなに高いわけではない、はず。

にもかかわらず、港界隈には、そこそこ広範囲にわたり、民家が続いている。
目隠しして連れて来られたら、離島であることが認識できないのではないだろうか。
学校も、小中高はもちろん、高専なんかもあり、絶えず若者の姿が見られる。
当初思い描いていた「リゾート」とイメージがズレてしまったのは、この栄え具合によるものかも知れない。

【あいさつ】
弓削島だけに限らず、しまなみ海道界隈の子どもは、あいさつをしっかりしてくれる。
これって本当に気持ちのいいことだし、あいさつが徹底できていない自身を恥じてしまうし。
ただ、上下白の半ソデ・半パンに輪袈裟をかけたキックボードおやじにまで、律儀にあいさつしてくれるのは、むしろ皮肉ですよ。
あいさつされるたびに、恥ずかしかった。

【お大師のバリエーション】
お遍路の話。
知多半島では、主にお寺の敷地内に、お大師さんをまつった建築物があった。
向島では、ほとんどの場合がお堂であった。
沼島や矢田寺では、お地蔵さんであった。

それが弓削島では、上記すべてのバリエーションで構成されているのだ。
なので、「次はどんなところかな」という楽しみが、他の場所よりもやや大きい、ということがあった。

【お遍路道】
お大師さんは、島のあちこちにあるため、一般の観光客がまず行かないだろうという場所をまわれる。
それこそ、島全体をくまなく散策できるという意味においても、有効だなと思う。

港から離れた場所、特に島の北東部なんかは、人はおろか車さえすれ違うことが少なく、どっぷり孤独を体感できる。
ただ、道路沿いを徘徊していれば見つかるというものではなく、中には山道を進んで行かないといけない場所も、けっこうある。
夏場に生い茂った雑草のせいで先に進めなくなったりもするし、この時期のせいなのか、えげつない量のクモの巣に四苦八苦したり。
泣く泣くまわれなかったお大師さんもあるので、がっつりまわるなら、時期を見計らって行かないといけない。

【観光スポット】
観光スポットは、ないです。
いや、調べたら何かあるのかな?
というレベルで、本当にないに等しい。

「旅行=観光スポットを写真でパチリ」という感覚では、かなりキツい場所である。
逆に、「旅行=その土地の“風”を感じる」という感覚が好きな人には、たまらないのではないかな。


そんなところで、果たしてこの文章を読んで「行きたい!」と思える人が、1人でもいるのだろうか。
まぁ、魅力を案内する目的ではないけれど。
少なくとも僕は、またぜひとも再訪したいと思っている。