キックボード旅人の日常

キックボード旅人による、旅の話とか日常のこと。

マイ・ファニー・バランタイン

いよいよやって来た。
名酒「バランタイン30年」の封を解くときが。
ようやく仕事も落ち着き、飲み会などもなく、今夜がこいつを飲むのに絶好の機会であった。

ラベルをはがし、フタをひねる。
意外や意外、コルク栓ではないのね。
そしてこぼれないよう、ショットグラスにゆっくりとつぐ。
ほんのり、甘い香りがたちこめる。

グラスを手にとり、あらためて鼻に近づけ、においをかぐ。
ううむ、洋酒だ。
さすがにウイスキーに慣れていないせいか、他のウイスキーとの違いがわからない。

ゆっくりと、少量をひと口、口に含む。
ううむ、洋酒だ。
やはりここでも、「これがウイスキーだ」という認識くらいである。

はじめに甘みが広がり、数秒後にアルコールが舌を強く刺激する。
その後に、何と形容したらよいのか、「コク」とでもいうのか、独特なうまみと、ほのかにスモーキーなかおりが広がる。
というのが率直な感想であるが、これが果たして、この酒を形容するにふさわしいのかはわからない。

ええ、正直なところ言いますと、「違いがわからん」ということですよ。
昔、山崎18年を飲んだときは、脳天を貫くほどの芳醇なかおりを感じたが、そんな感動はない。
もちろん、うまいかまずいかでいえば、うまいですけれどね。

40度を超える酒は、本当にちびちびとしか飲めず、小さなショットグラスの3分の1を飲んだころには、すべて飲める気がしなくなった。
ので、ハイボールを作って飲むことにした。
が、こいつはうまい!
こんな酒をハイボールにすな!と、洋酒好きに本気で怒られそうであるが、ハイボールで感動したのは、はじめてである。

というわけで、しょせん勇者でない僕にとって、エクスかリバーはただの棒っきれ程度にしか扱えなかった。
いや、うまいんやけどね。
こいつの本当のうまさを知るためにも、ちょっと舌を肥やさんといかんです。