キックボード旅人の日常

キックボード旅人による、旅の話とか日常のこと。

フリマ考

何も予定がなく、たまにはフリマでもと検索した先週末。
偶然にも、西日本最大級のイベント「フリマ王国」が開催されていた。
300ブースもありながら、2時間もあればまわり切れてしまうのは、フリマというものに行きすぎて、もう慣れてしまったためだろうか。
とかいいつつ、昼食も踏まえ、4時間はいたけれど。

さて、そんなフリマでウロつきながらも、今回なぜか、いろいろと考えをめぐらせてしまった。


【代金<商品価値+満足感】
母親が仏壇で使う用に、チャイルドロックに対応していないライターを探していた。
すると、たばこの景品だろう、4つ入り100円のものを、4袋売っている人がいた。

「4袋買うから、いくらかまけて」
と、交渉。
「ムリムリ。4つも入ってんねんから。ムリムリ」
と、片手を横にぶんぶん振り回して、拒絶される。

フリマで値切らんって、何やねん。
まぁ、値切る値切らんは売り方次第なので文句はいえないが、あまりに態度がカチンときたので、買わずに立ち去った。

確かに、今や市販では買えないチャイルドロックなしライターが、1本25円は安い。
けれど、少なくとも僕の身銭を、1円でもその人に与えることが、本能的にイヤだと思った。
いくら金銭的にトクとはいえ、それを購入したことえの幸福感って、ゼロ・・・いや、マイナスである。
それなら、損もトクもなく、100円均一で、チャイルドロック付きでも普通に買ったほうがマシである。

買ってうれしい、売れてうれしい。
両者の喜びを感じられることが、フリマの醍醐味だと思うのだ。


【フリマにおける「商売」】
上記の続き。
ちなみに、帰りがけにのぞいてみると、ライターは1袋も売れていなかった。
かわいそうに。

フリマに出展する商品なんて、基本は自分がいらないもの。
売れなくて当然、売れて儲けもの。

そんななか、その出展者は目の前で、400円という金額をムダにしたのだ。
自分にとって0円の価値のものが、400円というお金に換わるというのに。
もっといえば、それを家に持って帰ることで、家の中にムダなものが増える。

フリマでモノを売るときに、「自分にとって0円」ということは、忘れてはいけないと思う。
そこで売り渋ったところで、次にその商品を欲しがる人が、いる保障なんてまったくないのだから。
100円で売りたかったものが半額になっても、そこは惜しまず売るべきである。

ということを、以前自分がフリマで店を出した経験と重ね、思った。


【タイム イズ NOT マネー】
お金持ちの人や、「デキる」人は、衝動買いをしないらしい。
お店へ行けば、自分が欲しいものだけを、例え割引きしていなくとも、迷わず買う。
そうすることで、目的外のものにお金を使うムダを削減し、品定めや価格比較などの時間を節約するそうな。

なるほどな、と思う。
それで行くと、フリマなんてものは、まったくもって理にかなっていないこととなる。
では、フリマで買い物することは、ムダなことなのか?
いろんな考えはあると思うが、僕は「NO」だと思う。

確かに、半日や1日をつぶすし、会場までの移動にお金がかかる。
それを考えると、掘り出し物を安く買えたとて、それが本当にトクなのかがわからない。

しかし、フリマに求めるのは、そこではないと思う。
何が売られているのかわからない宝探し感があり、売り手と買い手のコミュニケーションがある。
もっとも大事なのは、それをしている時間「楽しんでいる」ということ。
掘り出し物が安く買えたというのは、むしろその付加価値のようなものである。


などなど、何かしらマジメなことを考えながらも、しょうもない衝動買いに一喜一憂している短絡的な思考回路である。
ネットオークションなんかに負けず、もっともっと大規模なフリマを、開催いただきたいものである。