キックボード旅人の日常

キックボード旅人による、旅の話とか日常のこと。

ブランニューみそか2013【1日目】

恒例は、ときに怠慢を呼び起こす。

年末の恒例行事である、GORIとの忘年会は、今年も開催された。
例年どおり、クリスマスのさなかに、思い出したかのようにメールをして承諾を得る。

毎年、新世界で串カツを食べ、日本橋をウロつく、というパターンが続いていた。
ので、今年は新しい風を送ろう、と。
どこか旅行へ行こう、ということになった。

それが、いろいろな事情が重なり、「泊まり」となったのは、前日のこと。
さらに、宿が決まったのは、当日の午前1時半。
どんな宿がいいかという希望も二転三転し、予約直前で狙った宿が埋まったりしながら、とりあえずで決まったような宿となった。
恒例行事と構えていた怠慢さが引き起こした、事故ともいえよう。


さておき、今年は男2人で、なぜか滋賀へ旅行することとなった。
行き先も目的地も定まらぬまま、行き当たりばったりな旅行となったのは、言わずもがな。


【わけわからん林道】
ナビをたよりに、GORIの車で滋賀へ。
高速を降り、一般道へ入るときに、いきなり道に迷う。
ナビがわかりにくいことも、道を勘違いしていたことも原因である。

とりあえず本通りへ向かおう、と車を進めると、どんどん細い道へとなる。
僕の愛車ジムニーならまだしも、GORIのでかい二輪駆動車では、決して走ってはいけない道である。
が、大学時代から悪ノリの過ぎるGORIは、構わずがんがん進む。

もう、10センチもずれたら脱輪、というギリギリの箇所も、試行錯誤しながら何とか越える。
個人的にはこういう悪ノリは好きではあるが、脱輪したら本当にシャレならない場所なので、どれほどイヤな汗をかいただろう。


【昼食:ラーメン一徹】
まずは昼食。
GORIのスマホで適当に調べた、「ラーメン一徹」。
駅のすぐ横にあるお店で、立地の割には目立たない場所にあり、「大丈夫か?」と思える店構え。
しかしながら、オススメとあったみそラーメンは、まったりと舌ざわりがよく、期待以上においしかった。


【びわ湖競艇
道中にあった競艇場へ、ノリで散策。
GORIとは、かつて競輪はじめ、賭場めぐりをしたこともあり、互いのニーズが合致したのだ。

年末なんて刈り入れ時だろうに、思ったほど客が少ない。
不景気のあおりか、純粋に競艇ファンの減少か。
若者が目立って多かったのは、意外ではあった。

2レースだけ、とりあえずやってみることに。
しかしまぁ、わからない!
競艇は何度か来ているが、何をどう予想していいのやら、勝負どころがまったくわからないのだ。
当然2人ともハズレ、あと2レースあったが、潔く後を去った。


遊郭跡】
そこから少し離れた場所に、遊郭跡があるとのこと。
足を踏み入れるや、まずはやたらバーやスナックの看板が目に飛び込む。
一見、ただの住宅地にしか見えないだけに、やけに不自然に見える。
と同時に、これも遊郭から住宅地へ変遷した名残なのか。

やがて、古い屋敷を多数目にするようになる。
中には、料亭を営むお店であったり、それの廃墟であったり。
料亭という冠こそが、まさしく遊郭の名残であることを確信できる。

そしてぽつりぽつりと目にするのが、大阪某所の、現存する遊郭とほぼ似通った玄関構えの廃墟。
また、住宅地からせまい路地を一歩入るや、会員制のスナックが立ち並ぶ古い古い屋敷など。
とても1人では、足を踏み入れることができない恐さがある。
今までいろんなディープスポットを見てきたが、今までにない陰気さのある光景である。


【宿】
夕方5時過ぎ、宿へチェックイン。
近江舞子という場所で、夏にビーチとしてにぎわう場所である。
ビーチといっても、もちろん滋賀なので、湖にあるビーチである。

こんな時期に客なんておらんやろ、と思いきや、僕ら以外に10人はいるらしい。
まず部屋を案内されたのだが、4畳半に簡易ベッドが2つ並べられただけの、実に簡素な宿。
数々の安宿を目にしてきたが、ここまで簡素なのも、珍しい。
まぁ、個人的には寝るだけなので問題はないが。


【温泉:比良とぴあ】
宿でもらった入湯券を片手に、車で数分の「比良とぴあ」という温泉へ。
近所にある「びわ湖バレイスキー場」から流れてくる客もあるらしく、やたら人が多い。
にもかかわらず、それにギリギリでしか対応できないキャパシティ。
洗い場は立って待っていないといけないし、湯船は常時いっぱい。

お湯は無色無臭であるが、れっきとした温泉であることには変わりないそうで、そこはまぁよし。
というか、外ががっつり冷え込むこの地方で、露天風呂は純粋に気持ちがよい。


近江牛焼肉】
宿へ戻ってからは、夕食。
何と、近江牛を使った焼肉が食べられるのだ。
それで1泊7,000円という破格が、この宿に決めた大きな理由である。

食堂へ入るや、隣の倉庫のような場所へ通される。
広々とした空間に、ストーブ1台と、テーブルセットが1つ。
お肉セットをボンと渡されてからは、一切接客はなく、貸し切りというのか、放置というのか。
あまりにもシュールな光景で、男2人もご満悦。

お肉は、まあまあ。
近江牛」という響きで期待していたが、それほどではない。
が、少なくとも外国産のような固さや脂身の多さもなく、ただ純粋においしいというか。

ごはんはテーブルに置かれたジャーからとり放題なので、量は申し分ない。
あらかじめ調べていたとおり、ビールの持ち込みが自由というのはうれしい。
炭は絶妙なおこり具合で、炎がばっとあがることもなく、純粋に遠赤外線で肉が焼ける。
これは、もっと大人数で集まって、ただ焼肉をするためだけに使うというのもアリである。
冬場、BBQなんてできないからね。


そんな、アタリだらけの1日目が終了。
温泉旅館でしっぽりぜいたくに、というプランもあったが、この2人で過ごすには、こういうシュールな展開続きのほうがよいと思う。
2日目の公開は年越しになるが、これまたもうひとパンチあるので、早く書きたくて仕方がない。