キックボード旅人の日常

キックボード旅人による、旅の話とか日常のこと。

山奥読書

一説では、中国の古い詩からのならわしだとか。
秋は読書に適した季節、という節から来ているそうな。

そんな「読書の秋」を、ちょっと本格的に味わってみよう。
という気持ちはちょっぴりで、むしろ好奇心に押されたような形である。
がらにもなく、図書館というものに足を運んだ。


車を奈良方面まで走らせ、さらに京都へ。
精華台という、山をムリやり切り開いて町をつくったような場所に、ひときわ大きな図書館がある。
国立国会図書館」という、なんでも日本国内で出版されたすべての出版物を収集・保存しているそうな。
なるほど、保存するなら土地が安く広い、こんな場所を選ぶわけだ。

建物に入るや、まずは入館に必要な登録証を作らされる。
発行には身分証も必要で、想像以上の厳重体勢がとられている。
図書館って、小学生のころ、夏の暑さから解放されるために逃げる場所、くらいの気軽な場所だと思っていたのに。


館内は、当然ながら、静か。
広さは、まぁ広くはあるが、思ったほどではない。
どうやら、書庫にある本はごく一部で、ほとんどの本は書庫にあるそうな。

で、まずはパソコンで本を調べ、書庫から取り出しを依頼して受け取るシステム。
適当なキーワードを入れて検索してみると、出るわ出るわ。
雑誌の記事のタイトルですら、引っかけることができるというのが、すごい。
インターネットのように雑多な情報ではなく、ピンポイントで必要な情報を拾うには、もってこいだ。

が、いかんせんそこまで目的がない。
30分くらい必死こいてあれこれ検索したものの、どうもピンとくるものがない。
結局、あらかじめこうなることを予測し、持参したノートパソコンで自習をする。

ノートパソコンは持ち込み可能で、各テーブルに電源コンセントがある。
ううむ、これは集中できる。
自分の部屋みたいに、他の遊具などによる雑念が、いっさい取り払われる。
まわりの人も、遊んでいる人がいないため、パソコンでネットサーフィンしよう、という気分もそがれる。


そんなわけで、少なくとも自習室という使い方をするには、申し分ない場所である。
旅の日記は集中力がないとダラダラ後延ばしになるので、旅した後にここでまとめる、なんて使い方もよいかも知れない。