キックボード旅人の日常

キックボード旅人による、旅の話とか日常のこと。

京都 大アンティークフェア

先日日記で書いた「断捨利」とは、むしろ真逆の思想なのかも知れない。
家の片隅にある、使わないもの。
それどころか、むしろ使わなさすぎて、倉庫の奥底に眠っているもの。
そういったものに価値を見いだし、ときに大金はたいて売買しているのだ。

そんな骨董品というものに、格別な興味を抱いているわけではない。
といって、まったく興味がないわけではない。
廃墟というものを好きである以上、時代錯誤の品物は好きであるし、何が売られているのか予測できないことに面白味を感じる。

それが、300ブースも出展されているとあらば、足を運ばざるを得ないであろう。


土曜日、朝早くから、京都は伏見にある「パルスプラザ」へ。
30分も早く到着したというのに、すでに入口には行列がある。
もしかして、想像以上に巨大なイベントなのかな?

時間どおり開場し、中へ入るや、まずイベント会場の広さにびっくり。
そりゃあ、300ブースもある時点で広いのはわかっているけれど、実際に目の当たりにすると圧倒される。


せっかく来たので、すべてのブースをまわりたい。
ということで、会場の奥へ行き、そこから1ブースずつまわることに。

まず、骨董品というジャンルの広さに驚く。
鎧や刀、皿や陶器、布、絵画、コイン、宝石、家具、日用品、などなど、ぱっと思い浮かぶだけでこれだけある。
そして、いずれにもいえることが、時代という4つめの次元が、また幅広い。


博物館で見るような鎧を目の当たりにしては、こんなん本当に着て殺し合いがあったのだな、としみじみ感じる。
という見方ができたのは、はじめの1時間ほど。

まぁ、疲れる疲れる。
都会を歩くと疲れやすい体質なのだが、まさしくそれと同じ状況。
おそらく、ただ歩いているだけという行為ではなく、めまぐるしく視界に入る情報を処理していくことが、疲れに結びつくのであろう。

途中、休憩するべく外へ出ては、また入場して続きを見る。
ちょっとした、スポーツのようなものである。


お客さんは高齢者ばかりと思いきや、家族連れがあったり、若者がいたり、外国人さんがいたり。
僕と同じく、なかば観光気分での冷やかし客も多いようだ。

中には、お店の人と熱い交渉をしていたり。
たまたま開いた財布に、モッサリと確実に財布本来の容量を超える札を入れている人がいたり。
人間ウォッチングも、これまた楽しめる。


最後のほうは、ブースをぱっと見て、好きでないジャンルとわかればスルーしていく、といったまわり方となる。
それでも足を止めてしまうのは、輸入雑貨
原色でポップなデザインの缶バッジを見ては、手にとって見入ってしまう。
幼少のころ、きっとおもちゃ屋などで見ては「欲しい」と思っていた、名残のようなものだろうか。

結局すべてまわり切ったのは、午後4時前。
昔なら、何かしら珍しいものを見ては買っていたかも知れないが、「どうせ使わない」という気持ちが先行して、何も買わず。
いや、厳密には100円の文庫本を1冊買った程度。
それも、冷静に考えたら「いる?」と思えるもの。
まぁ、そこで物欲が吸収されたのなら、安くついたといえるか。

毎回来よう、とは思わないが、もういっぺんくらい足を運んでみたいものである。