いや、別に気にはしてないんだよ。
ただ、首をかしげただけのこと。
先週末の、会社の人らと飲みに行ったときの話。
2次会の席で、右隣に初対面の人が座った。
それはそれとして、僕は左隣と向かいの人と、しばらく話していた。
あるとき、右隣から気になるキーワードが聞こえてきた。
僕の趣味の一環である、「ベルギービール」という単語である。
おっ、同じ社内にも同志おるやん!
これを機に、仲良くなっておこう。
と、話のターゲットを一気に右隣へ向けた。
もちろん、いきなり知識をひけらかしてはいけない。
知識が中途半端なときほど、陥る欠点である。
まずは右隣の人に同調し、時おり話しやすい話題のヒントをぽろぽろと出し。
ってやっているんだが・・・
いっこうに、右隣の人は僕の目を見て話をしない。
すぐ向かいにいる、女性にばっかり話をする。
いやいや、わかるやん?
僕もその話題に、乗りたいのよ。
あなたの話の邪魔せんように、最大限に協力してるやん。
もっと広い意味で言うなれば、この今の集まりって、部外の人との交流って意味でもあるやん。
なんぼ疑問を抱いても、ぜんっぜん効果がなかったので、途中であきらめた。
社会人としての常識を投げ捨ててでも、向かいの女性を口説きたいなら、それでいい。
というか、その女性の左手の薬指、ちゃんと見えてんのか?
もっと言うなれば、「一番好きなベルギービールは“レーベンブロイ”」て。
思いっきりドイツビールじゃ!
醸造方法からして全然違うのに、よくもそれでベルギービールが語れるな!
「一番好きな日本酒は“いいちこ”」言うてるようなもんやぞ。
と、若かりしころならその場で感情的になってただろうことを、さも何事もなく流せた僕は、大人である。
そしてそれを、日記でウジウジ陰口のようにぼやいている僕は、子どもである。