今までの会社では、信じられないことだ。
というか、もはや都市伝説とさえ思っていた。
会社帰りに、会社の人らとテニスをするなんて。
メンバーは10人ちょっと、半数が同じ部署の方なので、特に孤独やアウェイ感を味わうことがない。
着替えを済ませコートに出ると、ウォーミングアップをする間もなく、いきなり練習開始。
テニスなんて、いつぶりだろう?
大学の授業でちょろっとやった程度の、シロウトである。
が、いちおうバドミントンを経験しているので、そこそこ自身はあった。
「シロウトやのにうまいや~ん」というほめ言葉をもらおうと、あざとく腹黒い妄想があったために、特に楽しみであった。
しかし、開始5分で違和感が。
足元から、何やら異音が。
うわっ!
外れとる!
なんと、テニスシューズの底が、パックリと外れているのである。
右が外れたかと思うと、時間差で左も外れた。
さすがに10年間靴箱で寝せていたので、経年劣化が出たか。
それからは、ほぼ裸足に布をあてがった状態でプレーをした。
バドミントンの経験がいちばん効くのは、ボレー。
時速200キロの羽根つきコルクを思えば、テニスボールなんてスローモーションである。
目の前に浮いた球が来れば、もう絶対に取れないコースへと強打!
まぁ、常にボレーを打てていたかといえば、足がもつれて無理だったわけだが。
フォアも、経験者から太鼓判をもらった。
もちろん、シロウトとしての品質であるが。
問題は、バックハンド。
バドミントンの場合、たいがい体より前が打点であるが、テニスでは体の横方向らしい。
この感覚がぜんぜんわからず、なかなかのヘタレ具合。
かくして、「シロウトやのにうまいや~ん」という声は、まったくいただけず。
思った以上に動けず・打てずで、中途半端な自信がボロボロに砕けた。
これから毎週木曜日はやるらしいので、当面はハマることになるだろう。
楽しみができて何より♪
心配なのは、すでにこの文章を打つたび痛む右腕が、明日どれほど悪化しているか・・・