キックボード旅人の日常

キックボード旅人による、旅の話とか日常のこと。

さぬき広島・手島遍路と旅ねこ生活~その1~

1日数本、限られた便数のバスと渡船。
選択肢が少ないぶん計画が立てられやすい、と思いがちだが、こいつが逆に難しい。
これが離島旅の醍醐味でもある。

ただ今回は、あまりにも無計画すぎた。
前日の夜は眠る寸前に、あらゆる行動パターンが頭を駆け巡っては脳が活性化し、なかなか就寝ができなかった。


当日、午前7時前には電車に乗り、2時間半後に丸亀市へ。
宿泊地である「さぬき広島」には商店や飲食店がなく、自炊が必須となるため、しこたま3日分の食料を買い込む。
リュックだけでは足りず、ダンボールにも詰めてフェリー乗り場へ移動するのだが、荷物が多くてひと苦労。
ちなみに他の乗客は、ほとんど台車を持参している。

 

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1時間ほどして、半年ぶりの「さぬき広島」へ到着。
すでにお宿のご主人が車で迎えにきてくださっていて、島の反対側の集落「茂浦」へ送ってくれる。

今回の宿は、前回泊まった「ひるねこ」ではなく、「旅ねこ」というところ。
「ひるねこ」と同じく、古民家を改装したところだ。
庭と縁側が魅力的な「ひるねこ」に比べるともの足りなさを感じてしまうが、そのぶん広いことと他の民家から距離があるのがうれしい。

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荷物を冷蔵庫などに格納し、昼食をいただいてからは母屋へ。
3日分の旅の計画を立てるためだ。
母屋には島にまつわる資料がたくさんあり、いっそ資料を読みふけって1日つぶすってのも面白い。

一応、今回の旅は「島遍路」という目的がある。
前回この「さぬき広島」をまわったのだが、いくつか見つからなかった箇所があるのと、最後の88番がまわれていない。

宿のおかあさんに、前回見つからなかった36・37・39番の場所について尋ねる。
すると、わざわざ他の島民に電話で確認してくれて、だいたいの場所がわかった。
文献やインターネットでは見つからない、こういう生きた情報は本当に貴重であり、ありがたい。
ただ、いずれの場所も今は道が整備されていないので、おそらく行けないかも、とのことだ。
それでも、行ける可能性もあるわけなので、行く価値はじゅうぶんあるだろう。


1日目の行き先が定まったところで、つづく。

旅ねこ休暇

しばらく旅に出ます。
さがさないでください。

初春以来の再訪、広島へ行ってきます。
広島県ではなく、香川の離島「広島」です。

何をするとも決めずに3連休を作り、そこから急遽することを考えた結果、思い浮かんだのがここへの訪問。
離島で再訪するなんて、はじめてでは?
そのくらい、前回めちゃくちゃ心を打たれた場所だ。

目的は、前回お遍路して見つからなかった10個ほどの石仏を見つけることと、隣の「手島」でお遍路すること。
普通にやったら、おそらく1日半あればじゅうぶん達成できる。
残りの時間は何をするか、まったく考えていない。

前回も、あまり計画を煮詰めずに訪問をした。
やや時間に押されたこともあったが、結果として満足ができた。
後悔としては、時間に押されないようプランを煮詰めなかったことではなく、むしろもっと時間に余裕を持たすべきだった、ということ。

この島での過ごし方は、実は「何もしない」が正解なのだ。
時間からも人間関係からも騒音からも解き放たれ、日常にあるようでない「自由」というものを体感できる。
ゆったりした自由な時間の中で、最近何かしら散らかっている心と頭を整理したい。
ちょっとクサい表現するなら、自分が自分であることを再確認したい。

何だかんだで「3日間ちゃんと有意義に過ごせるのだろうか」という不安があるのは事実。
でもそれは、日常から時間やら計画やらというしがらみに縛られることに慣れている、何よりの証拠だ。
頭をからっぽにして、とにかく気のむくままに自由を楽しんでやる!

みぞそうじ

今朝は朝早くから、年に一度あるご近所同士のミゾ掃除があった。
ふだんあまりご近所さんと話さないので、仲良くなるチャンスだと毎年参加している。

ミゾに乗せられた鉄柵をよけて、ひたすらミゾをブラシでこする。
鉄柵は場所によって重いものが使われているので、この力仕事はご近所でも「若者」の部類にあたる僕が、主に手伝う。
ほとんど完治していたと思っていた肋骨が痛み出し、なるほど本当に全治1か月半だったのかと認識する。
だからといって「実は肋骨ケガしてますねん」と事態できる雰囲気でもないので、なるべく負荷をかけないよう気をつけながら作業を続ける。

面白いのが、誰も現場を取り仕切らないということ。
毎年続けているから、それぞれ暗黙的に動いているのだ。
いや、別に取り仕切らないとまわらないような作業ではない。
でも、上流のミゾから掃除していかないと、下流のミゾをいくらきれいにしてもコケや砂が流れてくるわけで、このあたりが毎年非効率になっている。
あと、数年前から参加した僕しかり、経験の浅い人が手が空いたときに何をすればよいかわからず、迷ってしまう。
逆に誰かが仕切ることで、何かしら角が立ってしまうのかも知れないけれど。

1時間ほどして、最後は汗ダクになりながらも作業は無事終了。
せっかく作業で和ができたのだから、いっそこの後に軽くお茶でも飲めたらいいんだけれど。
集会所はおろか、皆で会合できるスペースがないというのが悲しいところである。
集まって交流が生まれてこそ、はじめてこのイベントの意義が生まれると思うんだけれどな。

あと最後に思ったこと。
この作業をしていると、ふだん見えないダークな部分も見え隠れする。
ふだん温厚な人がある人のことを陰で毒づいたり、ある家の前だけ誰も掃除しなかったり。
人間関係のミゾも、うまく掃除できないものだろうか。

同窓海物語 in 加太~エピローグ~

どっぷり1日を堪能した加太旅行、つづき。


翌朝、みんなが目覚めたのは午前8時。
「6時には起きるぜ!」「いやいや5時には目覚める!」と寝る前に話していたが、さすがに深酒した翌朝に叶うはずはなかった。
まぁ、たぶん早く起きたけれどみんな寝てたので遠慮していた人もいたんだろうけれど。


目覚めるとすぐ、朝食の段取り。
朝食のメインおかずは、恐縮ながら僕が担当。
しいたけとサラミのオムレツ。

・・・なのだが、フライパンに卵がこびりつき、うまく巻けない!
中身半生のトロトロを作りたかったのだが、結局は表面焦げ焦げの卵焼き風になってしまった。
元オムライス屋バイトとして、こんな屈辱はない。
それでも「おいしい!」と食べてくれた仲間には感謝だ。

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食後しばらくダラダラしたが、いずれ手持ち無沙汰になり、いつしか帰り支度をすることに。
無料でお借りした保養所、「来たときよりも美しく」というボーイスカウトばりの合言葉を抱き、しっかり掃除・洗い物を片付ける。
おのずと仕事を探し率先して動くさまは見事で、3人とも女子力が高い。


まっすぐ帰るのもさびしいので、和歌山ラーメンを食べに行こうということになった。
本命の井出商店は長蛇の列。
外へ出るだけでもおっくうな猛暑の中、待つ気力もなく急遽スマホでお店選び。
ようやく見つけたのが「○京(まるきょう)」。
一見してラーメン屋に見えないたたずまいが、穴場的で期待がふくらむ。

普通盛りで600円ながら、チャーシューが丼の半分以上を覆っており割安感を覚える。
といっても僕は大盛り700円を頼んだのだけれど。
スープは見た目ほどこってりしておらず、醤油の味がしっかり効いており、かなりクオリティが高い。
テーブルにある「中華そばタレ」で、味の濃度を足せるのもありがたい。

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・・・というところで、これで本当に終了。
家に帰ったのが午後2時と早いのもありがたい。
正味1日半足らずだったのに、3日ぶんくらい遊んだ満足感がある。
4回に分けて書いたこの日記も、本当はもっとがっつり書き足したいことがたくさんあるし。

年内にもう一度、ぜひとも寄りたいところである。
いや二度でもいい、名前どおりしっかり「保養」するには申し分ない場所である。

同窓海物語 in 加太~後編~

ひとりで海遊びをした、つづき。


仲間の2人はサビキ釣りをしており、そこそこ釣れている。
単独行動までしてボウズだった自分が、つくづく空しく感じる。
それを察してか、僕にも釣りをさせてくれる。

久しぶりに竿を持つも、いきなり糸をからめそうになるし、うまいこと糸を海面に落とせないし。
つくづく、釣りに向いていないことを感じる。
興味はじゅうぶんあるんだけど。

さらに、海中に何度もカゴを引っかけてしまう。
何とも不甲斐ない。
それでも、何とか3匹を釣り上げる。

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さてさて、保養所へ戻ってからは、夕食の準備。
といってもキッチンは3人同時には作業できないので、交代でシャワーを浴びる。

はじめの料理は、釣ってきた魚たち。
ゴンタがきれいに下ごしらえし、作三が片栗粉をつけて揚げる。
それに塩をまぶしたシンプルなものだが、臭みもなく身が新鮮で、うまい!

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テーブルを囲って、もちろんビールを片手にいただく。
テーブルのアテがなくなりはじめたころ、料理を作りたい人が立ち代わりキッチンに立ち、何か一品をもってくる。
こういうのって、他の人の家にお邪魔したときはなかなかできないので、これまた楽しい。

なお、出てきたおかずは日記の最後に紹介。


酒がまわってきたころ、部屋の明かりをすべて落とし、バルコニーへ出る。
大阪のような蒸し暑さはなく、むしろ涼しい。
見上げると、夜空にびっちりと星が浮かぶ
きれいだ。
3人ともごろりと仰向けに寝転がり、星をみながら言葉を交わす。
あらゆるしがらみから解放されたこの時間に、とんでもなくしあわせを感じる。
ずっとこのままで過ごしたいな、と思っていたが、「このまま寝てしまう!」ということに気がつき、再び部屋に戻る。

何だかんだで、就寝は午後11時半ごろ。
実に7時間ほど飲んでいたことになる。
ふだんから長丁場で飲みがちな3人だが、こんな環境で飲み明かせたことは実に新鮮であり、満足度の高いものとなった。


タイトルで「後編」と書いておきつつ、もう少しつづく。

 

なお、夕食のおかずは次のとおり。
※印は、お恥ずかしながら僕が仕込んだもの。

 

・釣った魚のフライ

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かつおのたたき

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・トマトとリーフの冷静パスタ

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アスパラベーコン

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・オージービーフのレアステーキ

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※豚肉ともやしの炒め

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・せせりの甘辛焼き

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グリーンカレーのバケット添え

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・トマトとモッツァレラのカプレーゼ

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・きゅうりの浅漬風

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※焼きしいたけ

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同窓海物語 in 加太~中編~

同級生と加太の海へ来た話、つづき。


海へ移動してからは、二手にわかれる。
素潜りをしたい僕だけ岩場へ行き、残り2人はサビキ釣りのできるスポットへ。

岩場といっても、海上に見えている岩が少ない。
しかし入水すると、足元が岩だらけであることがわかる。

素潜り用に持参したアイテムは、「ヤス」「アワビおこし」「お魚キラー」の3種。
とりあえずお魚キラーを、魚が集まりそうな岩場の影に設置する。
ヤスとアワビおこしは片手ずつ持っていたが、魚と貝を同時に狙うのは難しく、アワビおこしをお魚キラーに置く。


足がつく程度の浅瀬を、ひらすらシュノーケリングしながら魚を追う。
魚は小さめのものが、そこそこいる。
試しにひと突きしてみようか、とヤスのゴムを引っ張ると、ブチンと見事に切れる。
もともとゴムの劣化は気になっていが、まさかここまでとは。
結び直して使うが、再び切れることを恐れてあまり引っ張ることができない。

気をとりなおして、魚を追う。
といっても、実はヤスで魚を捕まえたことがない。
使い方もままならぬまま、比較的動きの遅い魚を狙う。
何度か試してみて、ようやく1匹ゲット!
しかしあまりに小さすぎるため、後でリリースする。

もっと大物狙わなくては。
そう思うと、先ほどから見えている小魚には興味がなくなる。
たまに大きな魚がやって来るも、狙いを定めている間に逃げてしまう。

水中を夢中に泳ぐものだから、たまに顔をあげたときに、そこそこ沖に出ていてあせったり。
しかし沖といってもそう深くはないので、散策エリアを広めてひたすら泳ぐ。


時間が経つにつれ、魚が多くなる。
自然とヤスを突く回数が増える。
しかし、やはりゴムの劣化は激しいようで、何度も切れては結び直す。
やがて、結び直せない程度にまで切れてしまう。

これはダメだ。
諦めて、シュノーケリングを楽しむことにする。
だが魚だけでなく、クラゲも増えてくる。
クラゲのせいか、体がチクチクと痛みだす。
さらに次第に、水温が下がってきて体が冷えてくる。

ずっと泳ぎ続けて2時間半ほどだろうか、ようやく海から上がる。
収穫はゼロだが、久しぶりに泳ぐことができたので満足。
疲れでややフラつきながら、仲間のいる釣り場へと向かう。


さすがにひとりで泳いでいたので、写真はナシ。
つづく。

同窓海物語 in 加太~前編~

個人的に、夏をもっとも感じるものは、何と言っても海だ。
しかしながら、海で遊ぶことはなかなかしない。
海が家から遠いこともだが、いっしょに海で遊ぶ仲間もいないのだ。

それがこのたび、地元の同級生であるゴンタ・作三と3人で行くこととなった。
ゴンタの職場に保養所があり、以前から「いつか行こう」と言っていたのが、ようやく実現したのだ。

なお、「海に行く」「保養所に泊まる」以外のことはまったく決めておらず、待ち合わせ時間や持ち物も、直前に慌ててメールで打ち合わせるような状態となった。


午前8時にゴンタが車で迎えに来てもらい、作三をピックアップして出発。
途中のスーパーで買い出しするも、「昼食どうする?」「夜何食べる?」「明日の昼は?」というところも決まっていなかった。
道中に決めればいいものを。
それでも、意外にサクサクと決まっていくのが心地よい。


保養所に到着したのは、思っていた以上に早い午前11時。
「ボロいから期待せんといて」とゴンタから念押しされていたが、何のことはない。
小高い丘にある別荘地の、かなり高所にある立派な建造物である。

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玄関こそ田舎の家屋みたいな臭いがするが、ダイニングは広く暖炉なんかもある。
テラスも広くとられており、電動で屋根が出てくるというギミックも用意されている。
さらに上の階には和室と洋室もあり。
20人くらいは宿泊できるのではないだろうか?
何かもう、このまま海をやめて飲んだくれようかと思えるくらい、居心地がよい。

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などと思いながらも、やはり予定どおり海へと向かう。


まだ書きたいところだが、ちょっと眠いので続きは後日。

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