キックボード旅人の日常

キックボード旅人による、旅の話とか日常のこと。

神島八十八ヶ所霊場 ~その3~

3日目は、ホテルで少しゆっくりしてから、渡船乗り場へ。
向かった先は「白石島」。
この「神島遍路」をすべて周った後、この白石島の「開龍寺」へお礼参りするまでが巡礼の作法だからだ。

まず驚いたのは渡船の乗客の多さで、座席はもちろん甲板も人があふれかえっている。
こんな言い方すると申し訳ないが、決してこの白石島は有名な場所ではないはず。
まぁ客層は登山する高齢者団体と、ビーチ道具を持つ家族連れや若者グループがほとんどなので、地元のレジャースポットとしては有名なのだろう。


島に到着するや、驚いたのが島の案内のなさ。
離島にありがちな「ようこそ○○島へ」といったアーチもなければ、島の案内図もない。
渡船の待機場はあるが、そこに島の案内などもない。
島自体は決して観光地化したくないのに、次々と観光地がやって来やがる、といった雰囲気を勝手に感じる。

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ネットから印刷した手元の地図をもとに、お寺の方向へ。
すると律儀に、「大師道」と書かれた石の案内がいくつもある。
観光者はノーサンキューでも、お遍路さんはウェルカム、といったところか。

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案内に導かれるまま、時代が止まったかのような古い雰囲気のある住宅地を抜け、迷うことなく「開龍寺」へ到着。
思わず目を疑った。
あまりにもお寺が立派で、敷地も広い。
しかもちゃんとお坊さんが住み込んでいて、手入れもしっかりしているのだろう、境内はきれいである。
さらに仏舎利塔という、タイ式の大きな建造物もある。
こんな魅力的なところに、なぜ観光者はまったく寄ってこないのだろうか。

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本堂を参り、その後大師堂を参ったところで、見事満願。
ガッツポーズを出すような喜びではなく、どっと肩の荷が降りるような満足感が体中を走る。

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そこからは島を散策。
というのは、白石島にも島内に88箇所があるのだ。
さすがに1日では周り切れないだろうが、いつか周るだろうから、少しでも探しておきたい。

しかし、これがなかなか見つからない。
もともとちゃんとした資料がなく、何とか見つけた粗い画像をもとに探すも、3つほどあるだろうという場所に何も見つからない。
ローラーで界隈を何度も歩くが、やはり見つからない。
結局、他の場所で2つ見つけたくらいにとどまった。


さて、お遍路自体は終わったけれども、もうちょっとだけつづく。

神島八十八ヶ所霊場 ~その2~

2日目は、目覚めてからしばらく頭痛に襲われる。
酒を飲みすぎたせいかも知れないが、もしかすると昨日の猛暑で軽い熱中症かも知れない。

朝食をいただいた後、すぐさま準備をしてタクシーを呼ぶ。
本来ならバスで移動したいところだが、バスは9時半ごろまで来ない。
タクシーは金銭的に抵抗あったが、2時間もホテルでムダに過ごすくらいなら、泣く泣く浪費したほうがよい、との判断だ。


やはり朝から暑いが、まだ真っ昼間よりマシなので、時間の早いうちから周る。
相変わらず山だらけで、たまに海に降りたら、満潮時には渡れないだろう険しい海岸を歩き。

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朝のスタートダッシュと、昼も休憩少なめに動いたため、今日中には何とか周りきれそうだ。
ちなみに18時までにすべて周れたら、ちょうどバスの時間に間に合う。
しかし終わってみたら、わずか20分オーバー。
残念ではあるが、この20分を縮めるためにあせっていたら、楽しみも半減しただろう。
ホテルへ帰るのも、やはりタクシーとなった。


相変わらず疲労感がえげつなく、風呂上がりでもなかなか動けない。
重い腰をあげ、夕食は片道15分のスーパーに買い出し。
居酒屋が1軒だけということもだが、タクシーを1日2回使ったため節約をしたい、という気持ちによるものだ。


う~む、やはりお遍路の部分を省略してしまうと、何とも味気ない日記となってしまうな。
3日目はいろいろ動いたので、ちょっとは厚いものになるかな?

つづく。

神島八十八ヶ所霊場 ~その1~

3連休の旅、忘れないうちにまとめていきます。
といっても、お遍路部分はよそで書くのでなるべく割愛し、それ以外の部分をメインに。
一気に長々と書くのも疲れるので、ちょっと小出しに。


初日は午前8時に出発し、2時間半かけて笠岡駅へ。
移動中眠たかったのだが、お遍路の参拝時に収める「納札」に住所・名前・願望などを計88枚書く必要があったため、ひたすら文字を書いていた。

駅につくや、観光案内をしているおじさんに声をかけられる。
僕の格好を見るや「神島のお遍路やね?」と言うあたり、この地域ではミニ遍路文化がまだ生きていることがうかがえる。
ちなみに、8月から秋にかけ、神島への無料送迎バスがあるらしい。
本数も、通常なら1日4本しかないが、倍以上も運行するそうな。
しまった、来る時期を間違えたようだ。


バスの到着まで1時間あるので、早めに昼食をとることに。
向かった先は「山ちゃん」。
笠岡名物「笠岡ラーメン」のお店で、ここは朝5時から営業しているというお店である。

鶏ガラのダシに醤油のかえしが混ざったスープは、さらっとしながら味は濃厚。
固めの細麺・鶏チャーシュー・メンマはいずれも噛みごたえがある。
大盛を注文したが、他のラーメンの大盛より量は多く感じ、満足感がすごい。
比較して恐縮だが、前回行った「坂本」と味がよく似ている。

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再び駅へ戻り、30分かけて神島へ。
いよいよお遍路開始である。
詳細は割愛するとして・・・

暑い!
覚悟はしていたが、それを上回る暑さ。
30分ほど歩いたところで、まさかの休憩。
もうお遍路やめて帰ったろか、と思うほど。

それからは少しずつマシになったものの、今度はひたすら山道を歩く。
海岸沿いに歩くものだと思っていたのに、海なんて見ることもままならない。
ようやく海岸沿いに着いたころは、すでにバスの時間間近で、バス停まで30分歩く。

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という感じでヘロヘロのままホテルへ戻り、ユニットバスにお湯をため入ってからは、しばらく動けず。
日ごろの運動不足が、これでもかというほど祟ってしまっている。


夕食は近くの居酒屋へ。
といっても、駅から離れていることもあり、近くに居酒屋が全然ない。
唯一、最近できたというお店へ入る。

カウンター6席とテーブル3席、ややこぢんまりとしたお店は若い店員さん2人でまわしている。
値段はまあ可も不可もなくといったところだが、メニューがちょっと少なめ。
地産や旬の食材を期待するも、特に見当たらず。
極めつきは、中ジョッキが通常よりも容量が少なめ。

いずれもお店側が悪いというわけではないのだが、どうも長居する気にはなれない。
料理を少なめに注文し、ビールもスローペースで飲んでしばらくしていると、お店の人が話しかけてくれた。
神島遍路のことを話すと、知ってはいるが周った経験は小学校のときに数か所程度だという。
しばらく話を続けたものの、お店が少し忙しくなりかけてきたので、退散することに。


ちょっと飲み足りないが、近くに他のお店がない。
ということで近くのスーパー、といっても片道15分もの道を往復し、アテとビールを購入。
夜も外が蒸し暑く、ホテルに戻ったころには汗ダクになっていた。


小出しと言いつつ、結局長くなったな。
つづく。

極上のミニ遍路

無事戻りました。
まる3日かかりましたが、無事すべて巡り満願です。

ひたすら山!
元・離島だというので海沿いを歩くのかと思いきや、なかなか海のそばを歩けず。
登ったり下ったり、たまに人里に降りたかと思えばまた山の中に入ったり。

そこに追い打ちをかけるのが、猛暑!
「もうやめよっかな」と何度も心折れるし、意識が本気でもうろうとするし、持参した3リットルの水分が枯れても山道に自動販売機なんてなく困るし。
まさしく、お遍路が修行であることをまざまざと実感できた。

筋肉が悲鳴を上げ、汗がダラダラ流れる。
ツラかったことばかりだが、終わってしまえばいい思い出しかないのが、いつもながら不思議。
また、来月ある夏旅に向けて、体のコンディションを整えるにはもってこいである。

書きたいことは山ほどあるけれど、書ける元気がないのでまたおいおい。

陸続きの離島へ

しばらく旅に出ます。
さがさないでください。

半年ぶりに、岡山・笠岡へ行ってきます。
厳密には8か月前、笠岡から船で、北木島・真鍋島を島遍路したぶり。

今回もお遍路が目的で、向かう先は「神島(こうのしま)」。
といっても、離島ではない。
かつて離島だったが、埋め立てしまくり、陸続きとなった場所である。

まずは神島で歩き遍路。
全長26キロとのことで、1日で周り終わる可能性がある。
が、1箇所ずつ丁寧に詣るつもりだし、猛暑で足が止まることも考えられるので、2日ないし3日かかるかも知れない。

なお、神島を満願した後はノープランである。
白石島というところを巡るか、北木島のまだ巡れていないところを行くかと、ざっくりとだけは決めているが。
まぁ、宿だけはおさえているので、あとは気分で決めればいいか。

というわけで、楽しんできます!

中部地方賭場めぐり~後編~

すっかり松阪牛にご満悦の旅、2日目。

地方競馬も競輪も競艇も、近くにない。
どうしたものかと考えているうちに、ふとひらめいた。

地方競馬がダメでも、中央競馬ではどうだろう?
すかさず調べてみると、愛知県の中京競馬場が、ちょうど開催中である。
鈍行列車で2時間あれば行けるし、第1レースから遊べそうだ。
ということで、中京競馬場へ向かった。

他の賭場へ向かうときは、電車内に賭場用の新聞を持ったおじさんがたくさんいるので、迷わない。
しかし電車内にそんな人が見当たらず、「この電車であっているのかな?」と何度も確認する。

降りた駅は「中京競馬場前」。
そこから競馬場まで10分間、屋根のついた歩道をひたすら歩く。
人が同じ方向に歩いているので、迷うことはない。

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そして競馬場に到着。
きれい!
施設はきれいで広く、公園やイベントスペースもある。
何よりお客さんもきれいで、子連れや若者集団が多く、昨日の競輪場にいた高齢者がむしろレアである。
昨日との落差もあり、まるで何かのイベント会場に来たかのようだ。

ただ、比較しては申し訳ないのだが、京都競馬場に比べると狭い。
電光掲示板も小さめで、特にパドックの掲示板は情報量が最小限というのが少し残念である。

そんな比較はさておき、お客さんの量がとても多い。
また、みんなのテンションが高い!
第1レースから、ファンファーレに手をたたく始末である。
あかん、雰囲気に飲み込まれているだけで楽しい!

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しかし肝心のレースのほうは、なかなか的中しない。
だいたい本命で流すので、午前中はいつも何個か的中するのに。
そういえば「中京競馬場は荒れやすい」と、大学時代に名古屋出身のO君が言っていたな。

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こうなったら景気づけだ!
昼食がてら、八丁味噌串カツに土手煮、そしてビールをいただく。
前日にしこたま肉を食べたのに肉というのもヘビーだが、せっかく愛知まで来たのだから、名物を食べなくては。
串カツは肉がペラペラながら、味噌がうまい。
土手煮は大阪では牛すじを使うが、ここでは豚肉が使われており、これもまた味噌がうまい。

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そこからは少しずつ当たり出し、ビールも進む。
そういえば昨日も、ビールを飲みはじめてから当たりだした。
調子が悪いときは、アルコールで頭を麻痺させたほうがいいのかも知れない。


酒の勢いで気分がよくなり、ふだんは買わない別の競馬場のメインレースも購入した。
結果として、14レース中5レース的中。
14,000円の軍資金で、マイナス5,950円。
負けが軍資金の半分以内というのはうれしいところだが、5,000円以内にはおさめたかったな。

翌日は有給をとっていたが、天気が悪いらしいのと、行き先が定まらないため、素直に家へと帰る。
鈍行列車で4時間は、電車好きでなければなかなかキツイものである。


賭場といえば印象はよろしくないかも知れないが、日常とは違う景色に2日もさらされると、気持ちがずいぶんとリフレッシュされる。
賭場以外にも、何か遠出のきっかけとなる趣味を持てたら、もっとリフレッシュの機会も増えそうである。

中部地方賭場めぐり~中編~

さてさて、キマグレで向かった松阪の旅行、つづき。

競輪場から松阪駅前へ戻ったのは、午後4時前。
さすがにチェックインには早く感じ、駅前をブラつくことに。

意外といっては失礼だが、アーケードはそこそこ長く続き、シャッターは多いが開店中のお店も多い。
昔ながらの金物屋なんかがあれば、異空間をかもした若者向けの服屋もある。
けっこう見ていて飽きない。
ただ、荷物を増やすわけにもいかないので、なかなかお店に入れずにいる。

昔はどの地方にも、こうしたアーケードがあり、個性的なお店が並んでいたはずだ。
巨大な複合型施設が一般的となった昨今、アーケードは廃れる一方であることが悲しい。
チェーン店ばかりで個性に乏しい複合型施設より、圧倒的にアーケードのほうが楽しいのに。
どこかで、アーケードが見直しされる時代は来ないものだろうか。


寄り道している途中、目に入ったお寺や神社があれば入るようにする。
いずれもそこそこ立派である。
伊勢神宮が近くにある、ということも起因しているのだろうか。

しかしどうだろう。
途中から、特にお寺がやたら多いことに気がつく。
地図を見たところ、松阪駅から西側・徒歩10分ほどの県内に、7つものお寺が並列しているのが驚きだ。

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すっかり駅前を堪能し、ホテルへチェックイン。
ひとっ風呂入ってからは、いよいよ食事だ。
食事はホテルではなく、ホテルで食事券をいただき、外のレストランである。

向かった先は「千力」というお店。
ええ、もちろんである。
ここに来て食べるものといえば、松阪牛だ。

ちなみにこのお店は、焼肉店。
まさか、はじめての「ひとり焼肉」が松阪牛だなんて!

来店するや「1,000円別料金払えばメニューがグレードアップします」という甘い誘いを受ける。
当然、旅行気分で浮かれているさなか、断る理由がない。

しばらくして運ばれたお肉を、早速焼いていただく。
甘い。
お肉に甘さを強く感じ、まったく動物臭のないお肉のうまみがじゅわっと口全体に広がる。
これは、めちゃくちゃうまい!
改めて、松阪に来てよかったと感じる。

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それにしても、ひとり焼肉のペースがわからない。
焼肉自体はふだんあまり行かないが、例えばBBQなんかは、人とワイワイ話したりするし、食べたいタイミングに焼けた肉がないなどがある。
ひとり焼肉にはそれがなく、ただ自分が食べたいときに、目の前に焼けた肉を準備できる。
で、誰とも話すこともなく食べることに専念しているので、ついついハイペースで食べてしまう。

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このままではイカンと、あえて途中で本を読むなどして無理やり間を作る。
でないと、30分くらいで食べ終わってしまいそうだし、そんな早くホテルに帰ってもやることがない。
そうこうしながらもビールを飲んでいるうちにテンションがあがり、ホルモンとバクダンを追加注文。

何だかんだで、2時間どっぷり堪能。
値段はさすがに張ったが、たまの贅沢にはたまらなくよい。
年に一度はこんなグルメ旅もいいかも知れない。


なお、焼肉を食べているうちに、何とか翌日の予定を捻出した。
もったいぶるほどのことでもないけれど、明日もブログ読んでくれる人が少しでも増えることを期待しつつ、次回へつづく。